「簿記3級ってよく聞くけど、実際どんな資格?」「簡単って言われるけど、独学でも合格できるの?」
そんな疑問を持っている人も多いと思います。
この記事では、簿記3級の概要や難易度、受験をおすすめする人、独学で合格するためのポイントについて、これから受けることを考えている人にもわかりやすく解説します。
結論から言うと、簿記3級は基礎レベルの資格であり、きちんと準備すれば誰でも合格可能です。しかし、油断していると落ちることもあるので注意が必要です。
1. はじめに:簿記3級ってどんな資格?
簿記3級は、日本商工会議所(日商)が実施する「日商簿記検定試験」の最も基礎的な級で、企業のお金の流れ(取引)を記録・整理するスキルを学ぶ資格です。
主な学習内容
学習内容は大きく分類すると以下の3つに分けられます。
- 仕訳(しわけ)…取引を帳簿に記録する方法
- 勘定科目 …現金、売上、仕入などの項目
- 試算表、決算書(損益計算書・貸借対照表)の作成
要するに、「会社のお金の出入りを正しく記録し、経営状況を把握するための基礎知識」を学習します。どんな業種でも会計の基本は同じなので、身に付ければお金に対する理解が深まります。
2. 簿記3級の難易度を徹底解説
合格率から見る難易度
日商簿記を主催している商工会所が受験者の合格率を公表しています。
近年のデータを下にまとめてみます。
| 回 | 受験者数(申込者数) | 実受験者数 | 合格者数 | 合格率 |
|---|---|---|---|---|
| 170(2025.6.8) | 22,163名 | 18,935名 | 8,024名 | 42.4% |
| 169(2025.2.23) | 24,681名 | 21,026名 | 6,041名 | 28.7% |
| 168(2024.11.17) | 22,922名 | 19,588名 | 5,785名 | 29.5% |
| 167(2024.6.9) | 24,497名 | 20,927名 | 8,520名 | 40.7% |
| 166(2024.2.25) | 28,565名 | 23,977名 | 8,706名 | 36.3% |
| 165(2023.11.19) | 30,387名 | 25,727名 | 8,653名 | 33.6% |
| 164(2023.6.11) | 31,818名 | 26,757名 | 9,107名 | 34.0% |
受験資格のある資格ではないとはいえ、合格率が30~40%程度です。「半分以上の人が落ちる」レベルなので、ちゃんと勉強しないと普通に落ちます。
必要な勉強時間の目安
合格に必要な勉強時間ですが、未経験の場合、50~80時間程度必要です。独学でも合格可能なレベルですが、継続して勉強する必要があります。
仮に1ヶ月で合格しようと考えた場合、
平日:1~2h/日 × 20日 =20~40h
休日:3~5h/日 × 8日 =24~40h くらいの勉強時間を確保する必要があると思います。
どんな人におすすめ?
就職・転職活動に活かしたい人
簿記3級は「経理・会計職に興味がある」「将来事務系の仕事に就きたい」と考える人には特におすすめです。簿記は広く認知されており、履歴書にも書けますし、評価ポイントでもあります。
また、企業によっては経理や会計職でなくても、3級までは取得するよう求められるケースもあります(僕の会社がそうですね)。
簿記2級へのステップにしたい人
簿記2級は企業の経理職で通用する実務レベルの資格です。
3級はその土台となる内容なので、いきなり2級を目指すより3級からの方が理解しやすくなります。また、成功体験を積んで自信を持つためにも3級から勉強をすることがおすすめです。
2級まで取ると、履歴書のアピールポイントとしても活かせます。
独学で合格するための勉強法
僕はいきなり問題集からいきなり手を付けて勉強をした結果、かえって時間がかかってしまったと思っています。
そこで、合格までの勉強を振り返り、合格までの最短ルートを解説します。
ステップ①:テキスト+問題集を1冊に絞る
何冊も手を出すより、1冊を繰り返すのが最短ルート。
おすすめは以下のような教材:
-
スッキリわかる日商簿記3級(TAC出版)

-
みんなが欲しかった!簿記の教科書3級(TAC)

どちらを選んでも問題はないので、とにかく1冊をきっちり仕上げましょう。
ステップ②:毎日30分〜1時間の学習時間を確保
朝30分早く起きて問題を少し解いてみる、寝る前の30分を勉強時間にあてる等、生活習慣の中に勉強を組み込むことが大切です。
毎日少しずつでも、昨日勉強したことを今日復習すると記憶の定着がいいのですが、時間を空けるとどんどん忘れていってしまうので、効率も悪くなっていってしまいます。
勉強は習慣化していきましょう。
ステップ③:過去問や模擬試験で実践力をつける
過去問や模擬試験を本番と同じように時間を計りながら、どんどん解くことが大事です。試験にはある程度パターンもありますし、形式の慣れも考慮して多くの過去問や模擬試験を解くことが合格への最短ルートです。
間違えても、2回、3回と何度も解くことで回答できる問題を増やしていき、問題集1冊を完璧にできれば、本番でも合格点へ達成することができるようになります。
まとめ:簿記3級は簡単すぎず、でも手が届く資格
簿記3級は「簡単すぎる資格」ではありませんが、努力次第で誰でも合格できる資格です。
しっかりと基本を押さえれば、独学でも十分合格可能ですし、社会人のスキルアップや就職活動にもプラスになります。
数十時間の勉強が必要となるので、勉強を習慣にすることができれば、独学でも合格できると思います。
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